手造りならではの深みのある焼酎を
男性はもちろん、女性にも届けたい

     
       
             大海酒販株式会社 専務 山下正博さん 

昭和50年創業、平成5年より「地元の酒販店の応援団」として、オリジナル商品の開発を手がける。当時は焼酎の銘柄としては珍しい漢字一文字の「海」と名付けられた焼酎を筆頭に、くじらの絵柄のみが描かれたラベルの「くじらのボトル」など、女性にも飲みやすい焼酎を製造・販売している。

Q.焼酎造りでこだわっていることは?

 酒質に妥協せず、手造りにこだわることです。うちくらいの大きさの蔵だと、機械を入れているだろうと思われているんですが、芋の選別や芋切りも、一次・二次仕込みの櫂入れも、全て人の手・人の目を使います。大量生産はできず、お客様にはご不便をかけることもあるのですが、手造りの蔵ならではの味わい深い焼酎を守り続けたいと思っています。あとは「水」ですね。焼酎造りにおいては水が一番大事だと思っています。割り水には垂水の温泉水「寿鶴」を使用しています。うちの軟らかい酒質には「寿鶴」が一番合います。



Q.女性をターゲットにした理由は?

 一昔前までは芋焼酎と言えば、断然、男の人が飲むお酒でした。女性には芋焼酎独得の芋臭さが、どうしても馴染みにくいからだと思います。でも、大企業と同じ男性へのマーケットを狙っても、私たちの企業規模だと太刀打ちできません。なので、少数派ではありましたが、女性に受け入れられる焼酎を造ろうと思いました。これからは女性の時代だと。そうしているうちに焼酎ブームが訪れ、女性がどんどん焼酎を飲む時代になりました。おかげさまで私たちが作る「海」シリーズも売れるようなって、品薄状態も続いたんですが、先程お話させてもらった通り、酒質には妥協したくなかったので、増石もしなかったし、一定の熟成期間も本来通りにしていました。


Q.これからの展望をお聞かせ下さい。

 原料となるさつま芋は、地元の新鮮な生芋のみを使っているので、芋の収穫期である9〜11月くらいまでは、杜氏と蔵子たちは蔵に泊まり込んで焼酎造りをしています。また、仕込みはとても重労働なので、杜氏と蔵子たちは仕込みの時期は痩せていきますよ。それでもやっぱり伝統の製造方法、手造りの味を守っていきたい。社員全員がその気持ち忘れずに、これからも美味しい焼酎造りに邁進していきたいと思っています。


 
大海酒販株式会社

鹿児島県日鹿屋市寿3丁目2-8
TEL. 0994−42-5238

HP:
http://www.taikai.or.jp/

 



女性に人気の「海」シリーズは、クセの無い甘味と鮮烈な香り、爽快な喉越しを実現。ロック、水割り、冷たいストレートがオススメ。また、かのやばら園に咲く香りの高い薔薇で仕込んだ焼酎「薔薇の贈りもの」は、1本買うと10円が交通遺児に寄付されるシステムになっている。